英語でのコミュニケーション能力を向上させるには?
英語コミュニケーション能力が求められることは、当然ながら決して今にはじまったわけではありません。しかし、「グローバリズム」「ニューノーマル」といった時代変革を示唆する言葉が当たり前のように浸透してきたなかで、年々その必要性が高まっていることもまた確かでしょう。
自身もしくはお子様の英語力習得のためには、どのような学びが必要なのか。
気になる方は、おそらく多いはずです。
そこで本記事では、ずばりタイトルそのまま、英語でのコミュニケーション能力を向上させるにはどうすべきかについて考察、そして解説します。
そもそもの考え方から、学習時期、聞く力、話す力、訓練方法、テクニックまで細かく言及。
ぜひ、参考にしてみてください。
目次
- ○ 英語コミュニケーション能力に対する考え方
- ・会話を優先する姿勢
- ・相手に対する素直な態度
- ○ 英語はいつから学べばいい?
- ○ 英語における聞く力の育成について
- ○ 英語における話す力の強化について
- ○ 養い、鍛える英語コミュニケーション能力
英語コミュニケーション能力に対する考え方
英会話スキルを含めた英語力と、実際の英語コミュニケーション能力を混同する方が時々見受けられます。それは、いうなれば資格至上主義の方にも近い印象です。
もちろん、保有する資格で示されるスキルの肩書は、一つの指標になり得るでしょう。
実際、検定試験では、読み・書きだけでなく、聞く・話す力までをも判定します。それゆえ、最適なシステムといっても差し支えないのかもしれません。
けれども、現実は必ずしも両者が一致するわけではありません。
同様に、スキルアップの手段や磨き方も、基本、方向性は異なります。
テスト対策が無為なものとはいいません。少なからず英語力は高まります。
しかし、コミュニケーション能力となると、必要な資質は別のところにあるのもまた、れっきとした事実です。
上記を踏まえ、まずは資格検定や国際コミュニケーション英語能力テスト(TOEIC)だけで英語コミュニケーション能力がはかれるという思い込み、誤解を捨てましょう。
英検のグレード、TOEICのスコアはそれなりに他者へのアピール材料としては機能するかもしれません。
が、リアルで生かせなければ、無用の長物に堕する恐れがあります。
大事なのは、やはりその生かし方です。
では、本質的に重要視すべきものは何なのでしょうか。
以下、列挙します。
会話を優先する姿勢
話す内容を頭の中で英語に変換することばかりに気をとられ、コミュニケーションが成り立たなくなってしまっては本末転倒です。
多少、不正確な英文法でもとりあえず会話のキャッチボールに重点を置いた方が、結果的に得られるものは多いでしょう。
もし仮に、表現が曖昧でも通じる場合はあります。そうなると「この言い回しでも大丈夫なのだな」という気づきと自信が芽生えるでしょう。
一方で伝わらない場合であっても、相手の表情などからそれを察したうえで、「この言葉ではダメなのだな」と自身で一つの境界線を引くことができるのはプラスの材料だといえます。
今後の糧になるのはもちろん、試行錯誤すること自体が成長です。
しかし、会話の途中で黙ってしまっては、その機会を失うことになります。すなわち、英語コミュニケーション能力は育ちません。
会話を優先することは慣れにもつながります。英語に限らずコミュニケーション能力を高めるには場数が必要です。したがって、積極的に会話をしましょう。
その姿勢・意識が何よりも肝要です。
相手に対する素直な態度
コミュニケーションは相手への思いやりが大切です。
しかし、過度な遠慮は意思疎通の妨げになる恐れがあります。
せっかく話してくれたことを聞き返すのは失礼にあたると考える日本人は少なくありません。けれども、確認しないままでは会話に支障をきたします。
そうなると、やはり本末転倒です。
ケースバイケースとはいえ、欧米圏では「会話の最中で相手に通じない場合は話す側の責任として捉え、今一度わかりやすい説明をしなければならない」といった考え方が主流だといいます。
それゆえ、気後れすることなく、もう一度わかりやすく簡単な言葉で話してもらうようにお願いした方がいいでしょう。
大事なのは会話の内容を分かち合うことです。難しければ聞けばいいのです。
その場で素直に教えを乞うことで、曖昧な部分が解消され、加えて知見や経験を新たに築けるチャンスにもなり得ます。ひいては相互理解を深めることにもつながるはずです。
それが英語コミュニケーションにおける真摯な態度といっても過言ではないでしょう。
能力向上の側面からみても、貴重なきっかけだと捉えることができます。
英語はいつから学べばいい?
英語はいつから学ぶのがいいのでしょうか。
お子様に、いずれ英語コミュニケーション能力を身につけてもらいたいと願う親御さんは多いように見受けられます。
しかし、幼少期から勉強に励むのに越したことはないと思いつつ、無理に学ばせる必要もないと感じている人が、実際のところほとんどでしょう。
加えて、大人になってからでも留学すれば習得できるはずだと考えている方々が一定数いらっしゃる印象です。
しかし、現実は思いのほかシビアだといえます。
そう、英語に触れる年齢が遅くなればなるほど、“自然”とその能力を身につけることは困難です。
人の耳や脳は、生まれてからある時期まで、その成長の過程のなかで母語を優先的に聞き分ける力を持つようになります。つまり、その力が熟し終わる前の段階で英語を学ぶことが大事なのです。
学習指導要領が改定され、小学生の中学年から英語に触れはじめるようになるとはいえ、それまでに日々の習慣が日本語一色に染められていたならば、英語コミュニケーション能力の習得はそう容易くいかないことでしょう。
少なくとも英語が“自然”に得られる言語ではなくなっているかもしれません。
確かに、大人になってから留学されて、以後ビジネスレベルで支障なく英語を扱う方も珍しくはありません。しかし、おそらくその背景には多大な努力や訓練があったはずです。
と、上述したことは、裏返せば幼少期の学習によって英語コミュニケーション能力は自然と身につきやすくなるともいえるでしょう。
ちなみに、8歳までに英語を学ぶと自然に覚えられやすいといわれています。
また、この時期に得た言語感覚は、多少のブランクをものともせず、大人になってから再度学習した場合にも、能力を取り戻すのに比較的苦労しない傾向にあるようです。
いわゆる「バイリンガル」レベルで英語を流暢に操っていくのなら、やはり幼少期に馴染んでおくことが重要でしょう。英語コミュニケーション能力を自然と身につけられるこの時期は、一生のうちで非常に大きなアドバンテージです。
したがって、後悔したくなければ遅くても8歳までには学びはじめることをおすすめします。
英語における聞く力の育成について
コミュニケーション能力の向上に欠かせないのが聞く力の育成です。
英語も同様。“話す”以前に“聞く”ことに注力することが上達の秘訣といっても過言ではありません。
リスニングの技術を磨かなければ、逆説的に聞くことばかりに脳の認知資源が割かれます。肝心の相手の話す内容や意味の理解に、脳内の処理作業のリソースを向けられないのです。
それでは、どうすればいいのでしょうか。
日本人が、英語コミュニケーション能力を伸ばすのに苦労する理由の一つに、言語の音の違いが挙げられます。
特にネイティブになると、発話しやすくするために、この音を省略したり変化させたりするというのです。結果、日本人が学校で習う発音とは違った響きを聞くことになります。
これは、非常に厄介に思われるかもしれません。とはいえ、この音にはルールがあります。
そう、いくつかのパターン、タイプが潜んでいるのです。
それを感覚的にマスターするには、やはり聞く機会を増やさなければなりません。そこから法則を導き出していくことが効率的な勉強法・育成法だといえるでしょう。
たとえば、音楽やポッドキャストなど身近に英語が流れている音声メディアを繰り返し聞いてみてください。もちろん、映画も有効です。
反復して行い、単語の理解だけでなく、イントネーションや言い回し、俗語表現といった言葉の細部にまで意識を向けられるようになると、より成長が望めます。
いずれにせよ、英語の“音”のルールに慣れていくことが命題です。
英語における話す力の強化について
英語コミュニケーション能力を向上させるトレーニング方法にシャドーイングというものがあります。英語を聞きながら、同時に真似して発音する学習法のことです。
リスニングも兼ねたスピーキング技術の鍛錬、つまりは発話の慣れにつながります。
そうやって基礎をみっちり叩き込んだうえで、次のフェーズに移行し実施してほしいのはプレゼンです。
具体的にシチュエーションを用意して、提案・意見・主張を理由込みで発表してみてください。英語を学ぶ仲間とディスカッションを行うのもおすすめです。
ビジネスシーン、プライベート問わず想定し得る対人交流の場を題材とした英語での会話は、非常に有意義なものとなるでしょう。これがルーティンに組み込まれれば、瞬く間に英語コミュニケーション能力が開花するはずです。
それゆえ、同志・協力者の存在もまた、大いなる飛躍に欠かせないといえます。
とにもかくにも話す力はアウトプットで鍛えられます。
ただ、その前にインプットが必要なのも事実です。もちろん、単語の意味を頭に詰め込むだけではなく、より実践的な方法が必要とされます。
知識面の充実だけでは、おそらく現場では通用しないでしょう。
英会話教材等用いてしっかり聞いて真似て暗唱するところまでが基本。
応用では、テーマを自由に設け、それに対する意見を理由込みで話す。
こうしたメニューを日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
養い、鍛える英語コミュニケーション能力
さて、ここまで伝えてきたことをまとめます。
英語コミュニケーション能力を向上させるためには、まず考え方を見直しましょう。
あくまで大切なのはコミュニケーションをとることです。ときには、ボディランゲージやアイコンタクトなどを交え、相手としっかりコミュニケートすることを意識してください。
また、この能力は幼少期から養っていくことで、自然と根づきやすくなるものだといえます。
先述した通り、学びはじめる目安の年齢は8歳(まで)です。機会があるならば、悠長に構えず、子どもが持っている驚くべき言語習得能力を存分に生かしてあげてください。
そのうえで、読み・書きだけでなく、聞く・話す力を鍛えていくことが大事です。
いかに日常に英語を落とし込めるか。
英語コミュニケーション能力向上のカギは、いうなれば意識と実践です。
その積み重ねがいつの間にか無意識の行動(会話)につながります。
さあ、ぜひ積極的に英語に触れ、来るべき英語でコミュニケーションを交わす(自身もしくはお子様の)姿を想像しながら、毎日の進歩を楽しみましょう。